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              機関紙 「からばす」18号から

巻頭言(北斗七星の示す道)    現地活動報告  (1)  (2)  (3)  (4)     ジャワラのバマコ通信
  北斗七星の示す道                            鶴田 真由(女優)

       (撮影:設楽茂男)

 今回初めて番組の取材の為、CARAの活動を見させて頂きました。今まで、ボランティアやチャリティーと言った言葉にどこか拒否反応があり、疑問を感じるところも多かったのですが、今回村上さんと話をさせて頂いて、その活動を見させて頂き、関心したことが沢山ありました。

そこにいる人たちが自立して生きていくことが出来るための支援。

無くなったら終わってしまうような物資を送ったり、どこに流れているかわからない資金を調達しているのとは違い、村上さん自ら現地に赴いて井戸を作り、そこから発展させて様々な生活に関するアイディアを提供なさってきている姿をみてその生き様に頭が下がる思いでした。

 職業柄、人の歩んで来た人生を想像して膨らませることがどこか癖になってしまっている私としては、50歳を目前にして新たな人生を歩み始めた村上さんにとてもドラマチックなものを感じてしまったのです。

お聞きした話の中でも、サハラ砂漠でトワレグ族の人と生活をしている時のこと。「北斗七星の方角へ歩いて帰れば寝泊まりしているところに着くよ」と言われ前も後ろもわからぬような砂漠の暗闇の中、星だけを頼りに一人トボトボと歩いている最中、いきなり雲が流れて来て北斗七星を隠してしまったことがあるそうです。女一人で何も知らない地に乗り込んで、人に何を言われようと頑張って自分の信念を貫こうとただただ突っ走ってきている最中にいきなり座標軸を失い、ぽつんと砂漠に放り出された時、一体何を思ったのだろう?と考えるだけで人ごとながらにゾクゾクしてしまうのです。そんな今まで生きてきた中で、経験もした事のないような時空を越えた瞬間の出来事は、さぞかし忘れることの出来ない貴重な思い出の一つなのではないだろうか?そう思うだけで涙が出て来てしまうのです。

 たまたま今回の旅の前にパウロコエーリョ著の「アルケミスト」を読み、旅の最中に「スーフィーの物語」という本を読んでいたので、このような出来事をただの現実的出来事とは思えず、サハラの神秘のように感じてしまうのは少々子供じみているでしょうか?

そして、村上さんとの取材を終え、帰国途中の飛行機の中、この原稿を書きながら本の続きを読んでいるとこんな物語がありました。

ある王が相談役のダルヴィーシュに「民に食べ物を与えるのと、知識を与えるのとでは、どちらの善行がより優れているだろうか?」と質問すると、そのダルヴィーシュはこう答えるのです。 「―(略)― 彼らがあなたの施した食べ物を消化出来なかったり、あるいはそれを、あなたからの賄賂だとか、これからいくらでももらえるのだと考えるなら、あなたの善行は無駄になってしまいます。また、知識を授けられたとしても、彼らがそのことに気づかなかったり、知識と知識でないものとを識別する能力を欠いているなら、あるいは何故あなたがそのようなことをしているのか、その理由すら理解できないとしたら、彼らが恩恵を得ることはありません。したがってこの問題には、段階的に取り組んでゆく必要があるのです。 あなたはまず、<最も優れた人物には価値がなく、最も劣っているものこそ価値がある>という真理について、よく考えるべきです。」と。(「スーフィーの物語」平河出版社より)

<鶴田真由さん プロフィール>
女優。成城大学文芸学部西洋美術史専攻。1988年にドラマデビュー。以来、映画、テレビ、舞台などで活躍。古代文明や美術史に造詣が深く、過去「トルコ紀行」(NHK)、「素敵!!名画の旅」(テレビ朝日)などの番組に出演。男性から女性まで幅広い人気がありCMなどにも多数出演中。